column お役立ちコンテンツ

ISMS

基本知識

日本国内のISMS(ISO27001)認証取得企業数や動向|認証取得企業の検索方法を紹介

1. 日本におけるISMS認証取得企業の動向

IT産業は日本においても非常に重要な産業となっており、多くの企業が国内外での競争力を高めています。その中で、ISMS認証を取得することは、ライバルとの差別化を図り、企業としての健在な体質を作るのに役立ちます。

こうしたことから、国内企業でもISMS認証を取るところが増えています。実際に、どのような状況となっているのかをチェックしてみましょう。

日本の取得企業数の推移

ISO27001の取得企業数を確認する場合には、ISMSを管轄する「情報マネジメントシステム認証センター」をチェックすると良いでしょう。

2024年6月1日現在のISMS認証取得企業登録数は7,803社、実際に取得を公表している会社は7,400社となっています。

■2005年:556社
■2015年:3530社
■2024年:7400社

日本の取得企業は右肩上がりで増えています。たとえば、2005年には全国で556社程度しか取得していませんでした。
しかし、2015年になると、一気に3530社程度にまで増加します。さらに2024年には7400社にもなり、ISMS認証取得に取り組む企業が増えたことが分かります。

情報マネジメントシステム認定センターが2018年3月に公表している「ISMS適合性評価制度に関するアンケート調査報告書」で実施したアンケートによると、ISMS認証取得の業種別取得状況か以下となっています。

ISO27001を取得している企業の業種区分は、「情報技術」(58.2%)が最も多くなっています。
続いて「その他サービス業」(16.8%)、「建設業(エンジニアリングを含む)」(4.2%)、「卸売・小売業」(3.8%)と続いています。

2. ISMS認証取得企業の検索方法

ISMS認証を取得している企業は、簡単に検索できます。

ISMS認証(審査)機関の企業を認定している「情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)」のホームページにある「ISMS認証取得組織検索」メニューから、企業名などの条件を入力して検索できます。

このサイトでは、認証機関の検索も可能です。これからISMS認証取得を目指す企業が、認証機関を探す際にも役立ちます。

3. ISMS(ISO27001)の概要、企業にとってなぜ重要なのか

企業にとってISMSが重要な理由は、以下の3点が挙げられます。

  • 情報セキュリティリスクの低減
  • 顧客や取引先からの信頼向上
  • 事業継続性の向上

ISMSは、災害や事故などによる事業中断のリスクを低減し、事業継続性を確保するための対策も含まれています。これにより、企業は安定した事業運営が可能になります。

近年、情報セキュリティの重要性が高まる中で、ISMS認証取得企業数は増加傾向にあります。情報セキュリティに対する意識の高まりや、サイバー攻撃の脅威の深刻化、個人情報保護法などの法規制強化などが背景にあります。

ISMS認証取得企業の業種は多岐にわたり、製造業、情報サービス業、金融業、医療機関など、さまざまな業種で導入が進んでいます。特に、情報資産を多く保有する企業や、顧客情報を扱う企業では、ISMS認証取得が積極的に行われています。

ISMS認証取得は、企業の情報セキュリティ対策の強化だけでなく、企業価値の向上、競争優位性の確保にもつながります。今後も、ISMS認証取得企業数は増加していくと予想されます。

4. ISMS認証取得は海外への事業拡大企業に有利?

ISMS認証(ISO27001)の取得は、海外への事業拡大を目指す企業にとって、ビジネスチャンスを広げる上で大きなメリットがあります。

メリットは以下の通りです。

信頼性の証明

ISO27001は国際規格であり、世界中で広く認知されています。そのため、たとえ相手が自社を知らない場合でも、ISMS認証を取得しているという事実が、信頼できる企業であることの証明となり、効果的なアピールにつながります。
特に、重要情報を扱うシステムやアプリの発注において、発注先企業の信頼性は重要な要素となるため、ISMS認証は大きな強みとなります。

リスク管理能力の向上

ISMS認証を取得・維持するためには、企業内でルールに基づいた運用が徹底されているか、改善計画が実行されているかなど、厳格な審査が行われます。そのため、セキュリティポリシーの策定だけでなく、現場でのルール浸透や従業員教育など、セキュリティマネジメント体制の強化が求められます。
これにより、企業全体のITリテラシー向上にもつながります。

継続的なリスクアセスメント

ISO27001では、定期的なリスクアセスメントの実施と改善策の提示が求められます。このプロセスを通じて、潜在的なリスクを早期に発見し、対策を講じることが可能となり、企業のリスク管理能力が向上します。

以上のように、ISMS認証の取得は、海外への事業拡大を目指す企業にとって、信頼性の向上、リスク管理能力の向上など、多岐にわたるメリットをもたらします。

5. まとめ:ISMS認証の重要性の再確認

ISMS認証は、顧客情報や企業の機密情報を安全に管理するために大きな役割を果たしてくれます。
企業としての信頼度を高め、自社のITリテラシーを向上させるメリットがあり、積極的に導入を検討したいものです。
そのためには予算や人員が求められますが、その負担を上回るベネフィットがあることを理解して、導入に向けた行動を起こしましょう。